男女5人夏物語

ryoma200x2007-07-01

朝。大音量のラジオで目が覚める。「今日はサークルの友達と海へ行くのだ」。普段なら何も考えずダラダラとしているだけの僕もこういう日だけはすぐに頭が働く。まったく、我ながら都合のいい頭だ。まだ脳の指令が行き渡っていない重い体を引きずって布団から出た。けたたましく鳴り響く目覚まし代わりのラジオのDJがやたらと嫌なことを言っているように聞こえるのは、きっと僕の低血圧と寝不足のせいだろう。

もう7月だというのに梅雨を引きずった生憎の曇り空で、鳥の爽やかな囀りも聞こえない。昨日友達と夜中まで話していたせいか、「大音量FMラジオ」目覚ましで掻き消したはずの眠気は幾度となく襲ってくる。こいつとは人間である以上一生付き合っていかなければいけないことは分かっているが、こういうときは本当に憎たらしい。僕が車を出すことになっていたのでその責任感で纏わり付いてくる眠気を必死に振り払い、粛々と準備を進める。

なんとか時間内に準備を済まし慌ただしく車を出発させた。車も朝一で迷惑そうな音を立てており、乗っている僕もそれを迷惑そうに聞きながら重いハンドルを右へ左へ回す。朝からケンカは嫌なものだが、友達を拾いに地元を右へ左へ回る。僕の心は相変わらず右へ左へ揺れる揺れる。コンビニ、駅、友達の家を

天気のせいか寝不足のせいか案の定友達もみんなテンション低めだ。ほっとしたような、してないような、変な気分で海へと出発したのだった。