偽文学青年の読書の夏

ryoma200x2007-08-05

伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」を読みました。いろんな伏線が張り巡らされ読んでいて飽きない。短編しか読まない僕でも、一晩で一気に読み終えられるくらい面白かった。どれくらいかというと、太陽が黄色に、月が赤色に染まり、地球の自転が逆周りになり、朝と夜が逆転し、ズームイン朝はズームイン夜になってやたらとムーディーな雰囲気になり、羽鳥アナのハイテンションがガタ落ちするくらい面白かったです。嘘です。言い過ぎました。でも面白いのは本当です。

それにしても最近よく本を読む。湯本香樹実「夏の庭」、瀬尾まいこ「天国はまだ遠く」、重松清小さき者へ」・・などどれも良本ばかりでハズレなし。まあ素晴らしいクジ運というよりは、店頭で勧められたものを買っているからだが。中でも抜群に面白かったのが森見登美彦の「太陽の塔」という作品。「モテない」理系の学生さんが主人公なんだけど、坊ちゃん的独り善がりさを十二分に発揮しつつ、文章だけでも十分すぎるほど伝わってくるその暑苦しさと異才ぶり。しいて言うなら「京風偏愛変態ストーカー熱血青春小説」です。嘘です。言い過ぎました。でも面白いのは本当です。

僕は決して文学青年ではない。しいて言うなら音楽青年だ。偽文学青年でもいいじゃあないか。特ダネ!の小倉アナのように、神田マサキのように、また世にはびこる偽善者たちのように、人は皆どこか偽って生きている。偽文学青年の読書の夏は今日も更けてゆく。

♪BGM Like A Rolling Stone/Bob Dylan