さらば青春の光

ryoma200x2007-04-23

「1965年、ロンドン。広告代理店でメッセンジャーをしているジミーは、仕事そっちのけで、モッズの仲間たちとドラッグやダンスに明け暮れる毎日を過ごしている。街では皮ジャンにリーゼントスタイルのロッカーズも群をなしており、モッズたちとの対立は深まるばかり。ジミーが、週末に仲間と訪れた海岸の街・ブライトンでも、モッズたちとロッカーズの衝突から暴動が起こり、彼自身もケンカに巻き込まれてしまう。そして、警察が出動し、新聞でも大きく報道されたこの事件は、両親や会社の上司の知るところとなり、ジミーは世間から疎外されてしまうのだった・・・。」

今日見た映画、60年代に栄えたイギリスのユースカルチャー「モッズ」の青春を描いた「さらば青春の光」のストーリーだ。最近僕と友達の間でモッズブームが起こっていて、モッズど真ん中のこの映画はどうしても見たかったのだ。

モッズは端的に言えば「(外見が)スマートな暴走族」である。服装こそスーツでシュッとしているが、映画にも出てくるように暴言、殴る蹴るは当たり前。ドラッグキメるは泥棒するはやりたい放題だ。大学の講義で少し調べたので知ってはいたが、ここまでの輩とは思わなかった。ヒドイ。いやヒドイどころではない。シドイよ、ジミーさん。

とはいえ、個人的感情は置いておいて、「青春」という観点から見たらこの映画は傑作であると思う。青春の楽しみや喜びといった陽の部分だけでなく、キャッチコピーを借りれば「若者の行き場のない怒り、孤独、絶望感」などの陰の部分が恋や家族、友人などを通してちゃんと描かれてるのは良かった。主人公が賑やかなクラブを追い出され、一人静かな夜の砂浜でタバコをふかすシーンはグレートファッキンかっこいい。

また、かの有名な「ブライトンビーチの暴動」を頂点として、終盤には社会の壁にぶつかる姿など、青春の盛衰もきちんと表現されていてファッキン良かった。役柄が抜群に格好良かったエースことスティングがベルボーイをやっている姿を写したシーンなどは分かりやすい例だし、モッズの象徴とも言えるスクーターだけ崖から落下し(一緒に落ちたはずの主人公はいない)というラストシーンでは、これは若者がモッズのようなカウンターカルチャーを卒業していく姿を暗喩しているんだと思う。

もちろん「モッズ」映画としてもサノヴァビッチ良かった。細身以上に細身のスーツ、物々しくオシャレなスクーターはファッキンスマートでクールだし、日本の暴走族のサイケデリックをよりサイケデリックにしたような偽ビジュアル系のギャングなんかより数倍格好いい。モッズが大勢で走っている姿はギャングとは思えない爽快感がある。また音楽もフーをはじめオリジナルモッズが使われていてナイス。主人公がキンクスの「You Really Got Me 」を口ずさむシーンは思わずニヤリとしてしまう。

ウエストコーストスケーターが理想のファッションの僕としてはモッズの細身のスーツは真似できないと思うが、その音楽やカウンター精神は吸収していきたい。社会には負けねーぞ!ウィーアーモッズ!ウィーアーモッズ!!

♪BGM My Generation/The Who